白い天井、風に揺られてなびく白いカーテン、僅かに薬品のにおい。


保健室?
―――……そっか、私倒れたんだっけ。

寝不足が原因かなぁ。なんて思っていたら……


「目、覚めたか?」


晃が私の顔を覗き込んでいた。

今朝のことを思い出しいて顔が熱くなる。


「じゅ、授業は?」

焦って少し噛みながら晃に問う。


「もう、放課後。」


「放課後って、晃部活は?」


「今日はいい。先輩には言ってあるし、お前送ってく。」


「別にいいよ、一人で帰れるもん。」


「まだ、顔赤いだろ。」


そう言って私の頬に手を当てる。

まるで私の考えていることを見透かすかのように……


恥ずかしくてさらに顔が熱くなる。


「ほら、帰るぞ。」


「うん。」


やっぱり晃には逆らえないと思い、大人しく一緒に帰る。



帰り道はお互いに一言もしゃべらなかった。


家に着き、そのまま別れた。