―――……考えても仕方がない。おばあちゃんのところに行こう。


「晃、あたし帰る!」


「は?お前マネージャーの仕事まだ終わってねぇーだろ。」


そんなこと今はどうでもいい。


「とにかく帰るから。」


“おい”と私を引き留める晃を置いておばあちゃんのお店まで猛ダッシュする。

先輩とのラブラブライフのために………。




―――走って来たのはいいけど。


「あれー?おかしいな…。昨日は確かここにおばあちゃんのお店、あったんだけどなぁ。」


昨日あった場所に今日は何故かお店がない。いや、無いこともないんだけど………こんな派手な外観のお店じゃなかった。


なんで?


「君、この店に何か用でもあるの?」

派手なお店から男の人が出てきて私に尋ねた。


「え?あ、いや。なにも……ないです。」



お店の前に立っていても何も変わらないので、仕方なく家に帰ることにした。