殴った時に零のポケットから、一枚の写真が落ちた事に一機は気づいた。

「お前これまだ持っていたのか」

そこには、白い銃剣道道着を身につけた、二人の少年と幼い頃の希望と思われる少女、そして白髪頭の老人が写ていた。

一機は写真を零にわたした。

「俺明日も学校あるから、横須賀に帰る」

そう言い残すと一機はさっていった。

零もそのまま家に帰った。            
一機は帰りの新幹線に乗り込むと、おもむろにポケットを探った。

零の持っていた写真を一機も持っていたのである。

一機は写真を眺めながら、持ってきたipodの電源を入れた。

「あんなに一緒だったのに夕暮れはもう違う色〜」

一機はハッとした、ランダムで曲を選び気分を変えようと電源を入れた時、たまたまこの曲がセレクトされた。

「不揃いな二人に今たどり着ける場所などないんだね〜」

一機は写真を見たまま、大粒の涙を流して泣いた。

see-sawのあんなに一緒だったのにである。

一機はこの曲と今の自分と零の関係を重ね合わせていた。

零もまた水浸しになった、制服を着たまま帰った。

途中希望の事が頭に浮かぶたびに涙が止まらない。