季節外れの雪は地面を多いつくした。もう三月だと言うのに、昨日から降り続いた雪はすっかりと地面をおおった。

黒い傘をさした少年がゆっくりと歩く。

今日は希望の通夜である…            
零自信、昨日の下校中に幼馴染みを亡くした現実を受け入れられないでいた。

式場に着くと、雪の積もった傘を玄関のわきにおいた。

式場の中は悲しみにくれる人達でいっぱいだった。

零が式場に入った瞬間、皆の視線は零に注がれた。

「無理もない」

希望と最後の時を過ごしたのは、自分なのだから…

零は心の中で呟いた。

「深井君よく来てくれたわね」

黒い喪服に身を包んだ、おばさんが話しかけてきた。

希望の母である。

「深井君ありがとうありがとうね」

おばさんは今にも泣き崩れそうな声で、零に礼を言った。

零は事故の後直ぐに救急車を呼んで、零は希望を抱えたまま走った。

今にも命の炎が消えつつある。希望をただ見ている事などできなかった。

「れれ…零……」

零は走るのを止め立ち止まった。

「うん!?何だ喋るな」

「大丈夫だ今救急車はくる !!」

零は少し大きい声で叫んだ。