向かいの席のA子は、電話に気付いていないようです。
隣の席のB子も同様でした。

私は仕方なく、左手を伸ばして電話を取りました。

「はい、総務課です」

内線からかかってきた電話の鳴り方だったので、部署名を名乗りました。

受話器の向こうから、声はしません。