「最後はやっぱり線香花火だな!」 『うん…』 最後……。 「なぁ…どっちが長く持つか競争しね?」 思わずうつむいてしまったあたしに彼は花火を差し出しながら言う。 『競争?』 「おう!やるぞ!!」 椅子に座り、火を付けて2人で落とさないように慎重になる。 『あー!落ちた!!』 「よし!勝った!」 『もう一回!!』 次々と火を着けて競争を繰り返した。 「これで最後の一本だな…」 “最後”今日この言葉を何度聞き、何度心で思っただろう…。