まだ、先輩と話したことは数えるくらいしかないけど こんなあたしに優しい瞳を向けてくれた先輩を、もっと知りたいと思ったの。 ……なんて、あたしには到底無理だろうけどね。 いくら手を伸ばしても届かないような先輩。 見てるだけで十分だよ。 もう一度、窓の外を見ると もう先輩はいなかった。 ちょっと寂しく感じながら、机に頭を伏せる。 今は夏休み直前。 もうすぐ暑い、夏がくる…… 鳴り響いたチャイムに、顔を上げた。 今日もまた、無難な1日が過ぎていく。 .