秘密事は図書室で~甘い会長の罠~



あたしの言葉を遮って、先輩の顔が近づいてきた。


……!!!




「やっ…!!」



咄嗟に顔を反らしていた。


下屋敷先輩とキスした唇で…なんて、イヤだよ。



「もぅ…先輩のこと、忘れたい。
さっき見たキスシーンも全部全部…っ!!」



そう言った瞬間、バッと離された。

眼鏡の奥の瞳が悲しそうに揺れる。


なんで先輩がそんな顔をするの?

悲しいのはあたしでしょ?



「………清嘉…」


「ぇ…」


「言い訳だけど、聞いてほしい。」



初めて、呼び捨てされた。

……今さら…そんな…


そうは思ったものの、あまりに必死な先輩に頷くしかなかった。




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