「……あたし… あたしなっ…」 「あたしなんかと付き合っていいんですか?」、そう言おうとしたのに その言葉は先輩の唇に当たって消えてしまった。 「っ!!!…ん……っ」 いきなり塞がれた唇。 温かく、柔らかいこの感触が、まさかあたしに捧げられるなんて… 神様 ありがとう…… しばらく触れて、ゆっくりと離れた唇。 ドキドキと高鳴る心臓。 …止まってしまいそう。 「…やっと、手に入れた。」 そう囁いてあたしを抱き締める先輩は、今まで見てきた笑顔より もっともっと優しい表情をしていた。 .