震える足をなんとか動かして、図書室の前から立ち去った。 「……先、輩…」 先輩 先輩 こんなに、好きになっちゃったのに。 初めて見たときの優しい瞳 一緒に出かけたときの笑顔 貸してくれた先輩の大切な本 お祭りのときにくれた林檎飴 文化祭でのライブ 大きくて優しい背中 先輩の瞳 笑顔 声 仕草 香り 全てが眩しくて、全てが愛しくて こんなに 深いところまで来ちゃったのに どうやって上ればいいの? あたしだって 先輩が 大好きなのに……… .