秘密事は図書室で~甘い会長の罠~



ドキドキしながら返事を待つ。



「……本当の彼女…ねぇ。」



ボソッと呟く先輩に、ドクリと心臓が跳ねた。


まさか……先輩は…



「…好きなんですか?」


「え?」



やっぱり、あたしはおかしくなっているみたい。

先輩の優しい瞳に、魔法をかけられたのかも…なんて。



「下屋敷先輩のこと、やっぱり好きなんですか?」



車がよく通る道から外れた、静かな細道。

立ち止まった先輩と視線がぶつかる。



ドクドクと鳴り響く鼓動を止める術を、あたしは知らない。


固まったままあたしを見つめる先輩に、何も言えなかった。




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