「…ち、ちょっと図書室で…
本が落ちてきて、びっくりして転けたんです……」



嘘、ついちゃった。


でも彼女である人のあんなところ…神崎先輩には説明出来ない。



「転けた…?
中川さんってちょっと抜けてるよね。」



クスクス笑う。


でも、バレてる。

あたしが嘘ついてる って、先輩は気付いてる。



「あ、アハハッ。」



誤魔化すように笑う。


先輩が一歩進むたびに、身体が揺れる。

その感覚に酔ったようにボーッとする頭。



「…ぁ、先輩。
さっきの続きは…?」


「え?」



一瞬考えていた先輩だけど、あたしの言ったことがわかったみたいで微笑んでこっちを見た。




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