「アイツにだっこされてたのに?
俺は無理…ってこと?」
「ぇ…」
「アイツじゃないと…イヤ?」
先輩は、いつかみたいな
切なげで悲しげな瞳で
声で、そう言った。
「先輩…?」
「俺だ………に…」
…え?
聞こえませんっ!!
先輩は少し顔を赤くして
あたしを見た。
壊れちゃうんじゃないかってくらい、心臓がうるさく鳴る。
「…迷惑とか、そんなワケない。
俺が、中川さんといたいから引き受けたし、暗いだなんて感じたことない。
この前は…ちょっと……俺が出ていったらややこしくなるかと思ったから…
でも…ずっと、聞いててイライラしてた。」
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