イヤ イヤ……だ。 「っ……」 こんな涙でぐちゃぐちゃの顔、先輩に見せられない。 「……清嘉、ちゃん?」 「っ…」 本棚の後ろから、先輩が出てきて あたしに歩み寄る。 ……ダメだ。 弱虫。 「…その呼び方、やめてください。」 「え…」 「やめてくださいって言ってるんです!!!」 我を忘れて、大きな声で叫んだ。 あ、あたし…… 先輩に八つ当たりして…? 「っ…ごめんなさい…… 失礼します…」 今は 先輩と喋れない。 きっと、また変なことを言ってしまうから… .