先輩と一緒にいたら
勘違いされる。
先輩が
かわいそう。
あたしと噂になるなんて
絶対……ダメ。
「っあ、あたし…
やっぱり先に出ます!!!」
「っ、ちょっ…!」
止めようとする先輩をすり抜けて、本棚から飛び出した。
「ぇ…人がいたの?」
「ここに会長がいるって聞いたんだけど…会った?」
女の子たちは、あたしに近づいてきた。
……先輩だ。
下屋敷先輩 と呼んでいたから、二年生?
「会長…神崎会長、ですか?
それなら、あたしと行き違いでしたよ。
階段を下りて行きましたけど…」
ツルツルと滑る口。
よかった、普通に喋れてる。
.

