掴まれた腕が痛い。 そして、瀬那くんはあたしを引っ張りながらどこかに走った。 ……ぇ、えぇ!!? 「せ、瀬那く…」 「泣くなら、声殺すなよ。 思い切り泣かないと意味ねぇ。」 ダメだ。 放してくれる気はないみたい。 足が長い瀬那くん。 当然足も速いワケで…… フラフラになりながらも、瀬那くんについていった。 着いた先は…… 「……屋上?」 「誰もいないし、響いたりしないから。 ほら、泣くなら泣けよ?」 瀬那くんは、今までで一番優しい笑顔でそう言った。 .