校舎にはたくさんの人がいる。 大声を出して泣けないから 精一杯、声を押し殺して泣いた。 「っ……」 先輩 先輩 先輩…… 「せ、んぱっ…」 「……清嘉?」 いきなり肩を掴まれ、ビクンと体が跳ねる。 だ、誰!!? 「……っ、せ…瀬那くん…」 涙を拭いながら振り返ると、どこかのクラスで買ったであろうたこ焼きを持った瀬那くんがいた。 なんで、こんなところに…… 「な、なんで……っ」 「ちょっと通ったら、いたから。……泣いてる?」 いきなりピンポイントで聞かれて、鼓動が早くなる。 .