あたしは携帯を持ったまま固まる。
強引な先輩…
これもまたかっこいいなぁ……なんて。
「清嘉?どうした?」
「み、っ美央!!急がなきゃ!!!」
「ちょっと!!?」
先にラッピングしておいたチョコとオレンジピールのクッキーを片手に持って、携帯と財布をブレザーに突っ込んで
空いた手で美央の腕を掴んで
教室を飛び出した。
今は1時40分。
1秒でも早く会いたくて
全力で走った。
「ちょっと清嘉!!?
早いってば!!」
「ごめん美央っ…」
別に美央を連れて来なくてもよかったんだけど……
心細いから…
あとでなんか奢ります。
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