言い終わるなり、美央はにっこり笑った。
「なんだ、ちゃんとわかってるのね?
なら、行くしかないでしょ?
電話、するしかないでしょ??」
「あ……っ、ぅん…」
強い口調の美央に押されて、携帯を出す。
電話帳を開き“か”のところを開くと、一番後ろに“神崎 弥斗”の文字。
ドキドキする心臓に戸惑いながらも、通話ボタンを押す。
……プルルルル…プルルルル…
てゆうか、先輩だって忙しいだろうし…
出ないよね??
そう思って、切ろうとすると…
『ピッ……もしもし?』
「っ……」
三回目のコールで、先輩が出た。
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