歩いていた足をとめてしまう。 階段の踊り場で立ち止まったあたしを振り返って、先輩はニコッと笑った。 「俺も好きなんだ。 チョコとオレンジの組み合わせ。」 「っあ……」 な、なんだぁ。びっくりしたぁ… 先輩のよく響く低く甘い声が、脳に直接届いてくるみたい。 階段に響き渡って、静かに余韻を残して消えていくの…… てゆうか、告白だと勘違いするなんて…バカみたい。 有り得ないのに。 「なんか……オレンジって、中川さんと似てない?」 「…え??」 あたしが、オレンジに似てる? .