秘密事は図書室で~甘い会長の罠~



あたしは弱虫だから

鋭い視線に耐えられなかった。


睨み返すことも出来なかったの。




「……あたしが…」




あたしが

先輩に


こんな

風に


近づいたら

ダメ。


ダメ。

ダメ、なのに。





「……中川さん…」


「っ…」



スッと伸びてきた華奢で、ちょっと角張った手のひら。


流れるように、華麗に

あたしの頭の上を滑る。




「そんなに泣きそうな顔しないで…?イヤなことがあったら、誰だって逃げたくなるんだ。

自分を追い込むのは…よくないよ?」





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