あたしはマークの説明をする。
終始、その話に目を輝かせる先輩。
「じゃ、俺と中川さんの暗号ってことか。
なんかいいね、そういうの。
楽しくて。」
ふわりと笑う先輩が
本当に天使みたいで…
黒い縁の眼鏡の奥、優しい瞳が青く見えた。
……幻覚??
先輩との暗号って
素敵すぎる。
「本当にありがとう。
ところで、中川さんはなんで保健室に?」
「え…」
いきなり聞かれて、ドクンッと跳ねる心臓。
……それは
あたしが……
「ちょっとイヤなことがあって……逃げてきたんです。」
俯きながらも、ハッキリと言った。

