「なんかあった?
顔色悪いけど……」
「ぁっ…うぅん。大丈夫。
ちょっと走ったから、息が苦しくて…」
笑ってみせると、瀬那くんは眉間にシワを寄せたけど
そっか と、また椅子に座り直した。
走ったときの息苦しさとは、全然違う。
もっと、心臓が
心が握られたように
ギュゥッ……と、痛くなる。
綺麗で、スタイルよくて、神崎先輩のことを色々知ってる
幼なじみの下屋敷先輩。
あたしが、そんな人の恋路を
邪魔するなんて出来ないよ…
「…ちょっと考え事してたから、頭痛くなっちゃったみたい…」
瀬那くんに適当な理由を言って
あたしは保健室へと逃げ込んだ。
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