「ごめんね、ありが……」
あたしが立ち上がろうとしたとき…
パシッ
「…え?」
「君はもう戻れ。
中川さんは俺がつれていくから安心しろ。」
先輩が瀬那くんの腕を掴み、そう言った。
心なしか目が鋭い。
「……お前…会長?
なんで二年が……」
「いいから、早く行け。
…ちゃんと担任に言っておいてくれ。
ほら、中川さん。立てる?」
先輩…
瀬那くんのとき、口調が違いませんか??
瀬那くんのこと、嫌いなのかな?
「…ぁ、ありがとうございます。
瀬那くんも、ありがとう。
ぁ、これ。」
あたしがさっきのメモを渡すと、瀬那くんはにっこり笑ってから階段を上がっていった。
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