秘密事は図書室で~甘い会長の罠~



橘くんはまたあたしを見て言った。


アピール……か。




「うん、そうだね。
頑張ってみる。

ありがとう。」


「あぁ……てかさ。
中川って、下の名前なに?」



え??

知らないのか。


まぁあたしも橘くんの名前知らないけど。




「…清嘉。中川、清嘉。です。」


「清嘉…へぇー。
中川より呼びやすいじゃん。」




そう言って微笑む姿が、なんとなく善樹みたいで

素直に笑うことができた。



だからあたしも聞いてみる。




「橘くんは?」


「ぁ、やっぱり知らない系?俺は…瀬那。橘、瀬那だよ。

よろしくね?
……清嘉。」





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