そう言い聞かせなきゃ、すぐに自覚してしまいそうで怖い。 憧れ 先輩は憧れ。 だから一緒にいてドキドキするし 笑ってくれるとキュンとする。 憧れだから 心臓がうるさくなるだけ。 「でも、清嘉ちゃんは……」 「っあ、麻美ちゃん!! 今あっちで先生が呼んでたよ!!」 廊下の向こうを指差す。 麻美ちゃんは、すぐに走っていった。 ………ふぅ。危ない。 先輩が隣にいるのにっ。 「中川さん?着いたよ?」 「え……」 先輩の声にハッとすると、もう教室の前に着いていた。 もう着いちゃったんだ。 .