「……あの…」 誰かいませんか? そんな願いを込めて呟くも、返事は返ってこない。 先輩…いないし。 壁に掛けてある時計は、まだ2時過ぎを指している。 あたしが早かったのかな? 近くにあった椅子に座ると、よりシーンとした雰囲気を感じる。 ……寂しい。 先輩、早く来て。 早く会いたくて 早く喋りたくて どうやらあたしは無意識のうちに、図書室に来る足を速めていたみたい。 静かな空間の中、先輩が来るのをただひたすら待っていた。 .