「はいっ!! お待た………せ?」 玄関のドアを開ける。 そこにいたのは、善樹じゃなくて 「……先輩?」 なんで先輩がここにいるんだろう。 あたしの家、知ってたの? 目の前には、黒い浴衣を着て、いつもの眼鏡をかけた先輩が ちょっと不機嫌そうな顔をして立っていた。 「……今日、用事ができたんじゃなかった?」 「ぁっ……」 「なんで、浴衣まで着てるの? 準備万端じゃん。」 いつもより声が低く聞こえるのは、あたしが緊張してるから? 先輩の目が見れなくて、下を向いた。 .