「違うの……あたし、先輩のことは好きだけど“憧れ”だから。」
「ぇ?」
「あたしが先輩の近くにいても…迷惑がかかるだけだし。
彼女だっているんだから。」
そう。そうだよ。
アドレスを知っていても
一緒に出かけたことがあっても
オレンジジュースをくれても
あたしは先輩の何でもない。
ただの後輩……知り合い?
せいぜいいってもそんなもん。
下屋敷先輩 がいるし
他にも可愛い子はたくさんいる。
あたしが出る幕はないよ…
「美央…?」
「なに?」
「神崎先輩が、アドレス教えてほしいって。
教えてもいい?」
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