「・・・・ミリア、お前を助けた男を覚えているか?」
「はい、ディクス様です。」
「その男のもとに嫁げ。」
「・・・・!」
驚くミリア。
今までも、いくつもの婚約話が持ち上がっても、断ってきた父がいきなりそんなことを言ったからだ。
そんな父が、いう男のディクスはよほどいい人なのだろうと思ったミリア。
だが、国王の口からはそれを崩す言葉がでた。
「・・・・あの男は、妖魔だ」
「ぇっ・・・・」
妖魔・・・・。
妖魔・・・・?
「心だけはあげないでくれ・・・・。」
ミリアは、小さく頷く。
その瞬間。
「国王様。それでは、ミリア姫は貰っていきます。」
どこからか現れた、ディクス様。
目・・・・が、紅い・・・・。


