よほど嬉しかったのか、ディクスは機嫌が良かった。
「あの、ディクス様?」
「なんだ?」
「このお花をこのお屋敷に飾りませんか?」
「・・・?・・・花を飾る?」
ディクスたちの住む世界には花を飾るという習慣がないため、ディクスにはピンとこなかった。
「はぃ、お部屋の中とか廊下の隅にお花を生けて飾るのです」
ミリアがあまりに楽しそうに笑っているから、ディクスはよくわからなかったがその意見をのんだ。
「ミリアが望むのなら、そうすればいい。だが、花はすぐに枯れるから花を枯れないようにしてからだ」
そう言うとディクスは花の全体に手をかざした。
「ありがとうございます」
「良い」


