ディクスはミリアの腕を引っ張ってキスをした。
唇を離すと目を細めてディクスが笑った。
「花の冠も良いものだ」
初めてみる笑い方とすごく近くでディクスに言われたミリアは顔がだんだん紅くなっていった。
「他には何か作ったのか?」
「ぁと・・・アネモネで指輪とかも作りました・・・」
ディクスの膝の上に座らされたミリアは照れながら言った。
「黒い花はないのか?」
「私が知るなかではないです」
聞き終わるとディクスは花の冠に手をかざした。
「・・・ディクス様・・・・?何をしたのですか?」
花の冠に触っても生花の手触り。
とくに変わったところはなかった。
「この花というものは枯れるらしいからな、枯れないようにした」


