「・・・・た・・・・す・・・け・・・て・・・・・ディ・・・・ク・・・ス・・・・さ・・・・ま・・・・・ディ・・・・クス・・・・さ・・・・・ま・・・・」
悲願するようなミリアの声。
それすらもディクスは、見下す。
ミリアの甘い血の香りに誘われて、妖魔は次々と集まる。
ミリアが最後に見たのは、紅く染まる真っ赤な月だった。
ミリアは意識を手放したのだ。
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「・・・・ぅ・・・・」
重たい目を開く。
ミリアは助かった。
だが、動けない。
身体中をものすごい痛みが襲うのだ。
身体中、包帯だらけ。
包帯に血が滲んでいる。
生きてる・・・・。
血が不足しているのか、目が霞む。


