甘い香り。
熟した果実のような甘い香り。
ディクスはゆっくりと目を開いた。
「・・・俺は・・・」
起き上がると身体に傷がなかった。
治ったのか・・・。
ふぃにベッドの端を見ると、ミリアが寝ていた。
甘い香りの原因はミリアか・・・。
綺麗な金髪が少し揺れる。
「・・・おい・・・」
ミリアに声をかけても起きない。
ディクスはミリアの髪を引っ張った。
「・・・・ぃた・・・・」
ミリアが目を覚ました。
「・・・・ディクス様!・・・・目が覚めたのですね!!」
嬉しそうに目尻を下げるミリア。
「あぁ。だか、どうしてお前がここにいる」


