ミリアが息をこぼす。
深い痛みにたえながら、ディクスにしがみつく。
ミリアの甘い香りが部屋中に広がる。
しばらくすると、ディクスは牙を抜いた。
「・・・ディクス様・・・」
ディクスはミリアを抱き上げた。
ディクスの目は鮮やかに紅く光る。
「・・・・」
ディクスは剣を取り出すとドルトに向けた。
「ミリア、しっかり掴まっていろ」
「はぃ」
ミリアは力が入らない腕で必死にディクスに掴まる。
するとディクスは先程とは比べものにならないくらい速い動きをした。
「素晴らしい・・・!」
ドルトは目を輝かせる。
「ミリアがもっと欲しくなった!!」


