「もうすぐ夏の大会があるんだ」 あれ? 思っていたことと違う展開に 拍子抜けする。 「え…う、うん」 「夏の大会で優勝したら 甲子園に行けるんだ」 「うん」 「それでさ」 大樹は顔を上げて私を見る。 いつになく真面目な瞳に 自然と鼓動が高鳴る。 「俺、レギュラーを勝ち取って 大会を勝ち進んで そして…」 大樹はそこで一呼吸おいた。