亡くなる直前まで、彼は数々の書類を寝室のベッドの上に広げていた。 メイド達はやめさせない気持ちと王の命令の間に揺れ動いていた。 民のために働いている事が王にとっての休息だったからだ。 ジーノのその様子を何度も見てきた。 一度だけ聞いた事がある。 『どうして、そこまでするのか。』 と。 王はニコリと微笑み、息子の質問に答えた。 「愛するもののためだ。」 と。