BELLADONNA -沈静の劇薬-






青い空に、キラキラと輝く太陽。



またいつもの日常に戻るのみ。…だった。



我が主、正確には主の息子は執務室に腰を下ろし、大きな出窓から外を眺めていた。



公務で使われる机には、一向に低くならない書類の山。
柔らかい風が書類を撫で上げ、ヒラリと舞っていても目もくれない。


『ジーノ様、公務が滞っております。』



声をかけても、ジーノは書類の山に背を向けていた。



はぁ、溜め息と共にジーノの側に歩み寄った。