あたしの仕事わお店のオープンからクローズまでの6時間の間にお客さんからのリクエストがあれば歌を歌い、リクエストがなくても定期的に舞台に立って歌うこと。何時間おきに何分とか決まってないけど、意外とちょこちょこ出入りしている。
まあ、華やかなお店を彩るパーツのひとつって感じ。
「やあ、まいったなぁ。大雨だ」
今日1回目のステージを終えて、待機ルームで携帯をいじっていると、オーナーでありあたしの叔父でもある雅樹さんが濡れた肩を気にしながらやってきた。
西田雅樹(にしだまさき)、多分38歳・・・。
ゆるくパーマをかけた長めの明るい茶髪に、いくつもの水滴がついている。
『おはようございます』
「ん。おはよ。ほかのヘルプの娘わ?」
