あたしわ接客をしないから、マネージャーに相談を持ちかけることもないからだ。
あたしわお店の女の子たちの騒動も、相談事も、いつも眺めているだけ。それわ仕事の違いだから仕方がないし寂しいなんて思ったことわないけれど―。
乃愛さんわ点けたばかりの煙草を本木さんに示して見せる。
それを見た本木さんわ肩をすくめ、「それ済んだらすぐ来いよ」とドアを閉めた。
「おい、まだ終わんないのか?」
閉めたドアの向こうからまた本木さんの声。
今度わホールを掃除している黒服に声を掛けたらしい。
「もうすぐ終わります」
急がす本木さんに反応して聞きなれた声が聞こえた。
あたしわくつろぐと乃愛さんと愛さんを置いて、いったんホールに出る。
「おつかれ」
そこにいた黒服に、あたしわ声を掛けた。
