「ねぇ大学の学際っていつだっけ?」
愛菜ちゃんが唐突にきいてきた。
「10月の中頃の土曜だよ。高校の方は11月の始めの土曜だよ。」
「GRAZIE朋慧。」
そういえば愛菜ちゃん最近イタリアから帰国したばっかだからそーゆー日にちわかんないみたい。
「で、桜音。学際の曲は何やる訳?」
「え?えっと・・・。」
あれ?何やろうか。しまった。決めてないや。
「と、とりあえずカンツォーネ・ナポリターナとか。」
「桜音それ本気で言ってる?女子がそれはキツいでしょ。アレ男声推奨じゃん。」
ヤバい。私なんかヤバい。学際も近いのに何やるか決めてないなんて。
「お困りのようですね!冠月部長!」
バターン
誰!?・・・って、吹奏楽部部長の倉里熱賭先輩!
「また来たわね。変態メガネ部長が。」
あっ愛菜ちゃん?間違ってないけど・・・。
「学際で何やるか決まってないなら我々と共演しましょう!」
わ、WAO!あまりに超次元だったからBerryz工房の雄叫びボーイみたいに驚いちゃった。
「あ、あの~、少し考えさせてもらえます?」
「そんなこといわずに是非ともやりましょう!」
ひぃぃ・・・困るよ~。
「さあっ!さぁっ!!」
ひうぅ・・・(泣)
「シャークツッコミっ!」
ブッシャァァァァァァァァッ
ボテッ ゴトリ
いっイヤァァァァァァァ!!!部室で殺人事件発生!
「ちょっどうしよう朋慧ちゃん!」
「わかんないよ!けどとにかく死体を隠さなきゃ!!」
「何慌ててんのよ。落ち着きなよ。」
はっ犯人だ!血がついたフルート持ってるこの人は間違いなく犯人だ!
「だ~か~ら~、落ち着きなっての!この変態部長は死んでないから。」
あっ遥姐さん。古戸遥、サバサバした性格の私のクラスの学級委員長で吹奏楽部員。
「フルートに血はついてないわよ。ほら。とっさにアニメ版北斗の拳と似た演出を加えたからね。」
どんな演出?なんて言ったらダメかもしれない。
「何でこんな変態がウチの部長なのかしらね~。とりあえずつれてくから。迷惑かけたらゴメンね。」
吹奏楽部は嵐のように去っていった。