とてもじゃないけど、ご飯を食べる気になれなかった。 「おにぎり。ここ置いとくから食べるのよ?」 「……うん、ありがと」 仕事に行く前、あたしの部屋に顔を出したお母さんに笑顔を作った。 ……みんなに心配させて、最低なのは、あたしの方だ。 「いってきます」 「ん。いってらっしゃい」 「あんまり考え込まないで、何かあったら話なさいね」 玄関のドアが閉まる音を聞いて、あたしの目からまた涙が溢れた。 脩ちゃんも、お母さんも、あたしのことをあんなに気にしてくれるのに。 あたしは心配をかけるだけ。