明裕は嫌嫌そうに、手を離した。 明裕…。 「ったく、最近の若者は…。」 おじさんは、あざになった腕をこすりながら呟いた。 「あぁ? 殺してほしいのか?」 明裕はおじさんの胸倉をつかんだ。 「なっなんだよ!」 そういうと、逃げ去るように人ごみの中に消えていった。