どのくらいたっただろうか。 気付くと、エンジンは止まっていた。 「着いたよ。」 私はぎゅっとつかんでいた手を緩めた。 「今から少し歩くよ。」 明裕は手を差し伸べてきた。 『え?』 なんのことかわからずに立ち止っていた。 「ほら。」 明裕は私の手を強引に取ると、歩き始めた。