「そうだっけ?」


敢えてすっとぼけてみる。
今はもうそんなこと考えてないよ、という意味を込めて。


「水臭いね」


そんな愛に、真実はそう返した。


戸惑った愛の色素のやや薄い瞳を、漆黒の瞳が射抜く。


真実の瞳の色の深さが、別の瞳を連想させて、胸の奥で何かが揺れた。


「今日で3ヶ月。もう3ヶ月も経ったのに、まだ一人で抱えてる。愛の悪い癖だよ。何でもかんでも一人で持とうとする」