「相変わらず、すごい人気」



呆れたような声は、愛の後ろの席から聞こえた。


振り返った愛の視線が、声に似合った表情をしている少女のそれとぶつかった。



少女の名は『武藤 真実』。


愛の中学の頃からの親友だ。


真実と書いて『まこと』と読むその名前のイメージ通り、彼女は曲がったことが大嫌いで、正義感が強く、男の子より男前。

髪は肩にかかる前に切りそろえられていて、凛々しい眉と猫目が印象的なその顔立ちは、可愛いよりも綺麗という言葉がよく似合う。

女子にしてはかなり長身の170cmで、一見細身だが、幼少の頃から習っているらしい空手の技は凄まじく、『その辺のチンピラなら一捻り』。

彼女はその辺の男子より余程、理想な彼氏像に近く、女の子の憧れの的。