ねぇ、笑って

修斗の慌て振りに、それは無いか、と瞬は内心、息をついた。



そうだったらよかったのに。



だが、修斗は嘘がつけない性格。


それは瞬が一番知っていた。


「冗談だよ。....で、誰、そいつ」


できるだけさり気なく訊いたつもりだったのに、発した声は強張っていて。


瞬は眉をしかめた。


それに気付いているかのように、修斗は微かに笑った。


「ん~、さっきも言ったけど、よく知らないんだよ、俺」


「ただ、合コンで知り合ったんだと」


付け足された言葉に、瞬は呆気に取られた。



....合コン? .....宮本が?



「そ。合コン」


声には出していないが、瞬の言いたいことはわかってると言わんばかりに、修斗は相槌を打った。


「真実と宮ちゃんで行ったんだって。詳しくは知らないけど」


武藤まで!?....いや、宮本が武藤無しで合コンに行く方がありえねぇな。それにしても合コンって....ん?



瞬はそっと修斗の表情を窺う。


あることに気付いたからだ。


それに、付け足された『詳しくは知らないけど』に、少し棘があった、気がした。



「武藤ってお前の彼女...だよな...?」