ねぇ、笑って

「ど~すんの」


修斗はポツリと言った。


「何が」


瞬は怪訝そうに返した。


これは地雷かもな、心の中で呟いて修斗は苦笑した。


「宮ちゃんのこと」


「...別に。どうもしないけど。何、急に」


瞬がますます怪訝そうに眉を寄せた。


「宮ちゃん、今日デートだって」


できるだけさらりと言ったつもりだったが、それでも、瞬の受けた衝撃を緩和することはできなかったらしい。


瞬が、表情を変えた。



あ。やっぱり地雷だったか?



修斗は慎重に瞬の表情を窺った。


「........誰と」


掠れた声が、瞬の動揺の度合いを示していた。


「俺もよく知らないけど。真実が言うには....『タカハシ レン』、だったかな?」



....『タカハシ レン』? 聞いたことねぇな...でも確か『マコト』ってコイツの彼女で、宮本の親友だったはず。その子が言ったならホント...か...?



「お前、俺のことからかってるとか発破をかけた、とかいうオチだったら張っ倒す」


「え!? そっち行っちゃうの、お前の思考!? いやいや、ないから!!」