ねぇ、笑って

でも。


もし愛が連を『そういう』対象に見れないなら、連にどう思われてもいいなら、そもそもこの理論は成立しない。


その場合はバッサリ切るべきであり、連にとってもその方がいいのだ。


余計な期待など傷つけるだけ。

こんなことをぐちぐち考えている時点で愛は連を憎からず思っているということで。


頭の切れる連にはきっとお見通しで。


連の手のひらの上で踊らせられてるような感覚が、愛にはあまり面白くない。



そりゃ、私は恋愛の経験値なんてゼロに近いし、高橋君はきっともっと。


....でも。



愛はまた携帯を開く。



〈ありがとう。〉



さり気なく付け足された言葉。


ここで『ありがとう』とくる所は、なかなか。



その時、市の17時の放送が流れた。