〈よし。
じゃあ今日の17時、駅前で。
ありがとう。〉
愛はぱくん、と携帯を閉じた。
一瞬置いて携帯に浮かび上がった文字は、『16:58』。
愛の携帯は閉じると小さな画面に時間が浮かび上がる機能がついている。
あと2分。
結局愛は、
〈わかった。
遊ぼう。〉
そう返信していた。
1本取られたのだろう。
『そういう意味じゃなくていいから』
そう言われたら、臆病な愛には断れない。
これで断ったら、『友達として』も遊べない、と言っていることになる。
さらに、『そういう意味』じゃないわけがない、と思っていることにも解釈できる。
相変わらず連は頭が切れる。
たった1文で愛の逃げ道を塞ぎ、その上、『そういう』気持ちを愛に抱いていると仄めかして。
ここで断ったら愛は『自意識過剰な女』、受け入れたら愛と連は世に言う『友達以上恋人未満』な関係に。
どちらか片方が『そういう』気持ちを抱いていて、それを知りつつ拒絶せずに2人で遊びに行くなど『オトモダチなの』などと言うことは通用しない。
じゃあ今日の17時、駅前で。
ありがとう。〉
愛はぱくん、と携帯を閉じた。
一瞬置いて携帯に浮かび上がった文字は、『16:58』。
愛の携帯は閉じると小さな画面に時間が浮かび上がる機能がついている。
あと2分。
結局愛は、
〈わかった。
遊ぼう。〉
そう返信していた。
1本取られたのだろう。
『そういう意味じゃなくていいから』
そう言われたら、臆病な愛には断れない。
これで断ったら、『友達として』も遊べない、と言っていることになる。
さらに、『そういう意味』じゃないわけがない、と思っていることにも解釈できる。
相変わらず連は頭が切れる。
たった1文で愛の逃げ道を塞ぎ、その上、『そういう』気持ちを愛に抱いていると仄めかして。
ここで断ったら愛は『自意識過剰な女』、受け入れたら愛と連は世に言う『友達以上恋人未満』な関係に。
どちらか片方が『そういう』気持ちを抱いていて、それを知りつつ拒絶せずに2人で遊びに行くなど『オトモダチなの』などと言うことは通用しない。
